論文公開

当院理学療法士の新國悦弘が筆頭著者で執筆した論文が,BMC Pulmonary Medicineに掲載されました。

「Thoracic and vertebral deformities in lung transplantation: perioperative complications and long-term prognoses」

 肺移植は,重症呼吸器疾患を患う患者にとって重要な治療法であり,移植片の機能を最適にするには,ドナーとレシピエントのサイズを正確に一致させる必要があります。移植片は,性別,年齢,身長などの要因に基づいて予測される肺容量によって選定されます。しかし,胸郭や脊柱の変形は,肺容量の予測を複雑にし,肺移植の治療成績に影響を及ぼす可能性があります。今回,我々は胸郭および脊柱の変形が周術期合併症や長期予後に影響があるかどうかを調査することを目的とし,調査しました。

 分析した129例の肺移植レシピエントのうち,17.8%に漏斗胸を特徴とする胸郭変形が,16.3%に脊柱変形(側弯もしくは後弯)が見られました。二期的閉胸や気管切開,容量減少術を必要とする周術期合併症は,胸郭変形群でより多くみられました。また,胸郭変形は容量減少術と特に関連していました。しかし,長期予後に関しては,胸郭変形がある患者と変形がない患者とでは有意な差を認めませんでした。加えて,脊柱変形は周術期合併症および長期予後に影響を与えない結果となりました。

オープンジャーナルとなっておりますので、ぜひご一読下さい!
https://doi.org/10.1186/s12890-024-03168-6

2024年10月03日